高尿酸血症とは、からだの新陳代謝で発生する老廃物である「尿酸」が増え過ぎている状態です。
体内で結晶化した尿酸は、関節や腎臓などに溜まります。関節に溜まった尿酸の結晶が痛風発作の原因となります。
高尿酸血症になっている人は、メタボリックトンドロームに該当することが多く、動脈硬化が進行しやすい状態にあります。脳血管障害や心臓血管障害へとつながっていく恐れがあります。

1.高尿酸血症の診断

尿酸が血液に溶ける限度は約7.0mg/dLで、それ以上の濃度では溶けきれない尿酸が結晶となります。年齢・性別を問わず血清尿酸値がこれを超えるものを高尿酸血症と呼びます。
高尿酸血症は尿酸の生成と排泄のバランスによって、次の3つの病型に分類されます。

1.腎臓からの尿酸の排泄が悪い尿酸排泄低下型
 2.尿酸が過剰に作られる尿酸産生過剰型
 3.両者の混在した混合型

2.発生メカニズム

尿酸とは身体が新陳代謝を行う過程で生産される老廃物です。
プリン体は運動したり臓器を動かしたりするためのエネルギー物質で、食事を通して摂取するほかに、常に体内で作られています。
細胞内には「核酸」を主成分にした「核」がありますが、核酸は「プリン体」という物質で構成されています。古くなった細胞が分解されると、そのプリン体も肝臓で分解されます。こうして作られるのが「尿酸」なのです。尿酸は、一時的に体内に溜め込まれた後、尿や便として排泄されます。

 

1日に体内で産生される尿酸はおよそ700mgです。1日で排泄される量も700mgなので、体内の尿酸は常に一定の量(健康成人男性の場合およそ1,200mg)に保たれています。これを「尿酸プール」と呼びます。
体内での尿酸の収支が合わず黒字になってしまうと、尿酸プールが溢れ1デシリットル当たりの血液中の尿酸(尿酸値)が溶解限界の7.0mgを超えます。これが痛風の原因である「高尿酸血症」です。

3.合併症

(1)痛風

痛風は高尿酸血症の合併症のひとつで、ある日突然、足の親指の付け根などの関節が赤く腫れて痛みだします。痛みは激烈で、耐えがたいほどの痛みです。しかし、たいていの場合、1週間から10日たつとしだいに治まってきます。
血液中に溶ける尿酸は7.0㎎/dlが一般的に上限です。尿酸が血液中に溶けきれなくなると、針の様に尖った結晶となって手足の関節に溜まります。この結晶を異物とみなした白血球が排除しようと集まります。しかし尖った結晶で逆に白血球の方が破壊されたりするため激痛を伴った炎症が起きます。これが「痛風発作」です。初めは足指の付け根が腫れ上がることが多く、いったん治ったと思っても発作は何度も再発します。そのまま放置しておくと、その他の関節も痛むようになってきます。
痛風そのものは短期間で治まっても、高尿酸血症を治さないことには体内の尿酸結晶はそのまま存在し続けます。

(2)慢性腎臓病

腎臓は血液の中の老廃物を取り除いてきれいにする臓器です。その腎臓の働き(腎機能)が、ゆっくりと何年もかけて低下していく病気が「慢性腎臓病(CDK)」です。
慢性腎臓病になり何年もたち腎機能が極端に低下してくると、尿毒症の症状が現れてきます。
尿毒症の主な症状は、「食欲低下」「吐き気」「頭痛」「だるさ」や、水分がたまることによる「むくみ」「動悸・息切れ」「息苦しさ」「尿量の減少」などです。ほかに、「脈の乱れ」「血管の石灰化」「血圧が高くなる」「貧血」「骨が弱くなる」などの症状も起こります。

このような症状が現れた場合、命を守るために早急に透析治療を行わなければいけません。しかも透析療法が必要なほど腎機能が低下してしまってからでは、腎機能を元に戻すことは、残念ながらできません。人工透析をしている人は全国で30万人を超えています。
大切なことは、慢性腎臓病は、透析治療が必要になるほど進行する直前まで、ほぼ自覚症状に現れないということです。そのため腎機能の検査で異常が発見されたら、自覚症状がなくても治療を継続してください。早い段階の慢性腎臓病であれば、治療によって腎機能が改善することも少なくありません。
また、慢性腎臓病では腎機能の低下とは別の懸念もあります。それは慢性腎臓病が進行すると心臓疾患や脳血管障害が増える傾向にあります。透析治療が必要なるよりも先に、心筋梗塞や脳卒中などのために亡くなる人が少なくありません。

(3)尿路結石

尿は腎臓で作られ、尿管・膀胱・尿道(合わせて「尿路」といいます)を経て排泄されます。尿中の尿酸濃度が高まると尿酸が結晶化して、尿路に石を作る尿路結石になりやすくなります。石は酸性液中で固まる性質を持つため、尿が酸性に傾きやすい高尿酸血症の人は尿路結石を発症しやすくなります。石が尿管に詰まると激しい痛みを起こします。
結石はある場所によって名称が違います。尿管に結石があれば「尿管結石」、腎臓に結石があれば「腎結石」といいます。一般的に痛みが激しいのが「尿管結石」です。
腎臓などに停滞している結石は、痛みを生じないケースがあります。痛みがないとはいえ、尿路結石が体内に長く停滞すると、腎盂腎炎などの尿路感染症にかかったり、腎機能に障害をきたしたりする恐れがあります。

4.予防・治療

高尿酸血症を予防するにはプリン体を減らさなければなりません。プリン体は食物から取り込まれるほか、肝臓でも作られています。食生活はプリン体が多く含まれる肉や魚の内臓、さらにはアルコールも控える必要があります。ただ、プリン体制限によって栄養バランスを崩さないよう、最近はいろいろな食品をまんべんなく摂ることが勧められています。症状を持つ方は、筋肉トレーニングや短距離競走など無酸素運動は尿酸を大量に生産するのであまりしない方がよいです。
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動はおすすめです。肥満気味の方は無理をしないでゆっくりと運動をして体を慣らしていきましょう。有酸素運動は尿酸低下の効果があります。