1.セルフケア

歯周病予防のためにはセルフケアが大事になります。

病院で治療を受けていても、医師に任せっぱなしでは効果が半減します。

セルフケアは、口内のブラッシングと全身管理の2面から考えていきます。

ブラッシングは大切

丁寧に磨くことが大事です。歯1本1本を磨いていくと、1本当たり20秒とすると掛ける28本で9分を超えるくらいの時間がかかります。非常に長く感じますが、1日1回はこのくらいの時間をかけてみがくのが良いのだそうです。

回数は、1日に2回以上という人が76%ほどいて、かかる時間は2分から3分程度という調査結果があります。

3回、さっとみがくよりも時間をかけて1回みがいたほうが、歯周病予防には効果的なのだそうです。

会社でも昼食をとった後にトイレなどでみがいている人がいます。いい習慣だと思います。

駅や飲食店でもトイレでみがいている人を見かけることがあります。

<歯ブラシ>

 ①ナイロンの毛

 ②3列が基本、ヘッドは小さめで小回りのきくもの

 ③毛の硬さは「ふつう」か「やわらかめ」

 ④柄はストレート

ヘッドが小さいと奥歯の裏側も磨きやすくなります。毛が固すぎると歯肉に傷をつけてしまいます。毛は平たんなものを選びます。山切りカットは歯との接触面積が小さくなるので避けます。ストレートの柄を選ぶのは手にかける圧力がコントロールしやすいからです。

<デンタルフロス、歯間ブラシ>

歯周病でない人が歯間ブラシを使うと歯肉を下げてしまうことになりますので、デンタルフロスを使うようにします。

歯間ブラシやデンタルフロスで歯ブラシでは取り切れない歯と歯の間のプラークを取り除くことができます。

<ワンタフトブラシ>

歯並びの悪いところや親知らずの部分など、普通の歯ブラシではうまく磨けないところには、ピンポイントで使うことのできるワンタフトブラシを使うとよいです。

2.全身管理

全身管理で大きな影響があるのは生活習慣です。生活習慣病に直結するのが生活習慣です。

ストレスや肥満、運動不足、偏食など生活習慣における悪い側面はいろいろとありますが、たばこの害を見逃すわけにはいきません。ニコチンに含まれる有害物質は免疫機能や細胞の働きを阻害して歯周病を促進させます。特に男性は女性よりもたばこの悪影響を受けやすいといわれています。

厚生労働省が公表した2018年人口動態統計月報年計(概数)によると、日本人の3大死因は悪性新生物(腫瘍)・心血管疾患・老衰となっています。

2018年の死亡数は前年比2万2085人増の136万2482人。

死亡数を死亡順位別にみると、下のとおりです。

 第1位 悪性新生物 の37万3547人(人口10万対死亡率300.7)

 第2位 心疾患(高血圧性を除く) 20万8210人(同167.6)

 第3位 老衰 10万9606人(同88.2)

 第4位 脳血管疾患 10万8165人(同87.1)

 第5位 肺炎 9万4654人(同76.2)

死因で第5位に肺炎があります(3位まで上がってきたこともあります)。

多くが高齢者の誤嚥性肺炎です。歯周病菌もそれに一役買っています。歯周病菌が唾液や食べ物に混ざって軌道に入り込み肺に感染を起こします。

数年前に、話題になった映画『後妻業』の原作を読むと、入院して体力が弱って寝ている高齢の夫に、後妻業の妻がストローで飲み物を飲ませる描写があります。誤嚥性肺炎の発症を狙っているのです。早いとこ死なせて相続を発生させ、お金を得ようとする魂胆です。

3.定期健診

歯周病は全身の病気と深いかかわりがあります。50代になると中レベルの危険度で60代に入ると高レベルの危険度といえます。

虫歯がないからといって油断はできません。歯周病は歯茎と歯槽骨の病気です。定期的に歯科医院へ行って口内のチェックをしてもらいながら歯垢などがあれば取ってもらうのが良いやり方です。

<定期健診で行うこと>

 ①虫歯のチェック

 ②歯茎のチェック

 ③ブラッシング指導

 ④歯垢の染め出しチェック

 ⑤歯垢を取る

 ⑥歯石を取る

 ⑦歯科相談

 ⑧口内の粘膜の病気のチェック

※ 歯科検診の健康保険適用条件は、検査結果で口腔内に疾患があった場合に保険適用となります。検診に行く際は保険者証を持参しましょう。