歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。

歯肉溝(歯と歯肉の境目)の清掃が不十分だと、そこに多くの細菌がたまります。この「歯垢の蓄積」によって歯肉の辺縁が「炎症」を起こします。初期の場合には痛みはほとんどありません。

これが進行すると、「歯周ポケット」と呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになってきます。

そして、最後は抜歯をしなければならなくなります。

健康な口腔内の歯肉溝は2㎜以内です。深くなったものを歯周ポケットといいます。

口腔内にはおよそ500種類の細菌が住んでいます。不十分なブラッシングや砂糖の過剰な摂取などが原因で、細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。これをプラーク(歯垢)と言い、プラーク1ミリグラム中に約10億個の細菌が存在します。

歯周病は中年以降の人のかかる病気と思われがちですが、そんなことはありません。

若者もかかります。

2011年の厚労省の「歯科疾患実態調査」によると15歳から19歳で4.5%、20歳は14%、30代では5人に1人が歯周病になっています。

若いからといって油断はできないのです。

ところで「歯周病」と「歯槽膿漏」は違う病気なのでしょうか。

以前は、「歯槽膿漏」といういい方をよく聞きましたが、最近は「歯周病」といういい方が一般的になっています。

『日本人はこうして歯を失っていく』(朝日新聞出版、日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会)によると、

歯周病は、軽い順でいうと「歯肉炎」と「歯周炎」に2大別されます。

歯肉炎は歯茎に炎症を起こした状態です。これが進行すると歯茎がプヨプヨになり、膿が出るようになります。この段階が歯周炎です。これが悪化すると、歯槽骨が溶け始めて歯がぐらぐらしてきます。これが歯槽膿漏です。

歯槽膿漏とは歯周病が深化(悪化)した状態なのです。

歯を磨くと歯茎から血が出るという方は、歯周病を疑った方がよいかもしれません。

<歯の構成>

歯は、歯冠と呼ばれる外からみえる部分と、歯茎(歯肉)の内部に隠れる歯根部で構成されています。歯冠の表面はエナメル質という固い組織に守られています。歯根部は象牙質やセメント質からなり、内部は歯髄と呼ばれ、神経や血管が入り組み象牙質に栄養を供給する役目を担っています。

●7 歯の図

歯の周りを取り囲む粘膜が歯茎です。歯茎の中には歯槽骨があり歯を支えています。さらに歯と歯茎の境目には、歯根膜という膜がありクッションの役割を果たしています。

健康な歯茎は、歯との間にすき間がほとんどなく、内部に細菌が入り込むのを防いでいます。