ヘルパーT細胞には3種類あります。「1型」「2型」「17型」に分類されます。

(1)1型

1型のヘルパーT細胞の免疫反応の流れは第2章と同じです。簡単に復習すると、

①活性化した樹状細胞が、ナイーブヘルパーT細胞に抗原提示をする。

②ナイーブヘルパーT細胞が活性化して活性化1型ヘルパーT細胞になる。

③ナイーブキラーT細胞を活性化して、活性化キラーT細胞にする。

④活性化キラーT細胞は感染細胞を破壊する。この際NK細胞が補助的に働く。

<活性化1型ヘルパーT細胞の大きな役目>

①末梢神経へ行ってマクロファージをさらに活性化させる。

②B細胞を活性化し、免疫グロブリンの一種IgGを放出させる。

③ナイーブキラーT細胞が活性化するのを助ける。

IgGは「中和」や「オプソニン化」によって毒素やウィルスを中和して働かなくしたり、食細胞が抗体と結合した毒素やウィルスなどを貪食したりすることを促します。抗体として強力に働くのがIgGです。

(2)2型

活性化した樹状細胞がナイーブヘルパーT細胞に抗原提示をする。すると今度は、活性化2型ヘルパーT細胞になります。1型と同じ展開なのに、なぜ今度は2型になるのか。実は、17型も同じ展開なのに、1型にならずに17型になってしまいます。

その原因は、ナイーブヘルパーT細胞が浴びるサイトカインの種類が違うから、とか樹状細胞から出る補助刺激分子が違うから、などといわれていますがまだよくわかっていません。

<活性化2型ヘルパーT細胞の大きな役目>

①B細胞を活性化し、IgGを放出させる。

②B細胞を活性化し、IgEを放出させる。

③好酸球を活性化する。

IgEはどのような働きをするのでしょうか。「中和」も「オプソニン化」もしない抗体です。

免疫細胞の一種にマスト細胞があります。マスト細胞は全身の粘膜組織に存在しています。その中には、ヒスタミン、ロイコトリエンなどの炎症促進物質やタンパク質分解酵素を含む顆粒をその中にため込まれています。

IgEはマスト細胞と結合します。IgEが結合したマスト細胞は活性化して細胞内の顆粒を一気に放出します。その結果、平滑筋が収縮して蠕動運動を亢進したり、血管透過性が高まり粘液が増加したりします。これは、寄生虫を排除するためと考えられています。この仕組みが目や鼻の粘膜で作動した状態が「花粉症」といわれています。

好酸球はその中に炎症物質を含む顆粒を含んでいます。

寄生虫が体内に侵入すると、寄生虫にIgEが結合します。好酸球はIgEが結合した寄生虫に攻撃を加えます。顆粒の中の物質を寄生虫に向けて直接放出します。

(3)17型

1,2型と続いたのになぜいきなり17型なのか。

インターロイキン17という物質を出す細胞が巡り巡って活性化ヘルパーT細胞の一種ということがわかり17型ということになりました。

樹状細胞の抗原提示を受けてナイーブT細胞は活性化17型ヘルパーT細胞となります。活性化17型ヘルパーT細胞はリンパ節から末梢へ移動してサイトカインを放出します。その結果、好中球を集積させます。

腸管で働くヘルパーT細胞は17型が圧倒的に多いことがわかっています。

3つのヘルパーT細胞の働きは、明確に分けられるというものではなく、重なり合っている部分が多分にあります。