序章

免疫は、細菌やウィルスなどの病原体から人体を守る仕組みとして知られています。

免疫というと「抗原抗体反応」のイメージを強く持っている人が多いと思います。

「一度かかっ病気には二度かかることはない。仮にかかったとしても軽く済む」このことは、経験的に誰もが知っていることで、この作用を指して「免疫が付く」といったりもします。しかしこれは免疫の一側面でしかありません。

免疫には大きく分けて2種類あります。「自然免疫」と「獲得免疫」です。自然免疫は生まれながらに持っている免疫機構です。獲得免疫というのは生まれた後にその人ごとに発生する免疫機構です。「抗原抗体反応」というのは獲得免疫のことです。

病原体が体内に侵入すると、まず「自然免疫」が働きます。自然免疫だけでは対処できないとなると「獲得免疫」機構が動き始めるのです。いきなり獲得免疫機構が作用し始めることはありません。

免疫機構と疾病の関係が研究されてきています。例えば、糖尿病、痛風、動脈硬化、アルツハイマー症など「炎症」が関係する疾病には自然免疫のシステムが大きく関係しているという説が有力になっています。

以下に記載する文章では、人体の免疫機構について、基本的な仕組みを説明していきます。そして、その知見を利用して、様々な疾病を理解して、それらの疾病を予防するために役立てていくことができればと考えます。

第1章 自然免疫

(1)サイトカイン体内に病原体が浸入したら、それらを食べてしまう食細胞が現れます。マクロファージが代表的な食細胞です。マクロファージは、その人自身の細胞の死骸を食べても活...

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第2章 獲得免疫

病原体が侵入すると、自然免疫、つまりマクロファージや好中球がそれらに対峙するのですが、自然免疫だけで病原体が退治できそうにないとき、登場するのが免疫細胞の一種、樹状細胞です。...

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第3章 B細胞

(1)B細胞の活性化T細胞の次はB細胞の話です。T細胞のTというのは胸腺(Thymus)を意味しています。この免疫細胞が胸腺で成熟するところに由来しています。...

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第4章 キラーT細胞

抗体は細胞内まで入り込むことができません。血液中とか組織の隙間で繁殖する細菌や細胞外にいるウィルスには有効なのですが、細胞に感染したウィルスや細胞内に寄生する細菌には無力です。そ...

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第5章 ナチュラルキラー細胞

キラーT細胞の働きを補完するものとしてナチュラルキラー細胞(NK細胞)があります。キラーT細胞は、感染細胞の表面にMHCクラスⅠが出ていないと働くことができませんでしたね...

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第6章 3つのヘルパーT細胞

ヘルパーT細胞には3種類あります。「1型」「2型」「17型」に分類されます。(1)1型1型のヘルパーT細胞の免疫反応の流れは第2章と同じです。簡単に復習すると、...

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第7章 T細胞とB細胞の遺伝子再構成と選別、免疫抑制

T細胞とB細胞の特徴として以下のふたつがありました。(1)遺伝子再構成Aが成立する要因は、結論から言うと「遺伝子再構成」と呼ばれる機序です。受容体...

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第8章 免疫記憶

ある病原体に一度感染すると、そのときはたらいたT細胞やB細胞の一部が、記憶細胞として体内に残ります。その後、再びその病原体に感染したときは、素早く免疫反応が起きます。...

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第9章 腸管免疫

腸管には全身の免疫細胞の多くが集結しています。その割合は、50%とも70%ともいわれます。食べ物と一緒に細菌やウィルスも入ってくる可能性があります。有害なものは免...

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第10章 自然炎症

(1)内在性リガンドリガンドというのは、細胞が持っているTLR(Toll like receptor、パターン認識受容体)と結合する特定の物質のことでした。自然免...

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第11章 がんと自己免疫疾患

(1)がん免疫療法がんに関する療法として、外科手術、抗がん剤、放射線治療がありますが、免疫を利用した免疫療法が第4の治療法として注目されています。がんワク...

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最後に

人の免疫反応についてみてきましたが、未解明の部分が多く残っています。研究が盛んにおこなわれているので新しい知見がどんどんでてくることと思います。そして、原因不明といわれて...

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